『ITエンジニア残業ゼロの働き方 〜現場で本当に使えた仕事効率化の法則95』の感想

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ITエンジニア残業ゼロの働き方 〜現場で本当に使えた仕事効率化の法則95

書名の通り、ITエンジニアが仕事を効率化し残業を減らすための働き方を提案する本です。

著者は現役のエンジニアの方です。自身の経験を基に、生産性を向上させ残業を減らすためのマインドやノウハウが紹介されています。

第2章までの著者の考えやタスク管理方法の紹介は参考になりました。ですが、それ以降の内容は正直他でも見られるようなありふれた内容で、著者の息切れを感じてしまいました。実際にやってみて役に立った部分もあったので読んで無駄だったとは思いませんが、総合的に見てオススメできる本かと言われると正直微妙かなと思います。

こんな人向け

  • エンジニアで、仕事の効率化に悩んでいる人

良かったところ

いくつかの方法は実際に効果があった

著者は、残業は様々なものを犠牲にする悪でありこれを減らすには仕事の生産性を高めなければならないと言います。第2章ではそのための具体的な方法がいくつか紹介されています。その中でも、私が実際に取り入れてみて効果があったものを紹介します。

  • 1ポモドーロ(ポモドーロテクニックにおける集中して作業する時間の単位。たいてい25分間)でやったことを記録する

「何も成果がなかった…(実際はある)」というような自己肯定感の低下を防いでくれます。また、これをすることで集中して作業したあと休憩を取ることに罪悪感がなくなりました。

  • パフォーマンス維持のため定期的にしっかり休憩する(このときPCやスマホの画面は見ない)

休憩中に画面を見るのをやめたところ、脳が休憩できるようになったのか、その後の集中も途切れず捗るようになりました。上記2つは個人的に高い効果がありました。

  • 昼休みは就業時間の中間の時点に取る

昼休みが就業時間の中間にしたことで、昼休み後から終業までの間が長くなってダレることがなくなりました。

  • 書類やドキュメントは常日頃から整理しておく
  • デスクトップに表示するアイコンを最小限にしておく

当たり前と言えば当たり前のことですが、日頃から意識しておけばいざというときに慌てなくて済みます。また、整理整頓がされていれば普段の業務もスムーズに進みます。

この他にもたくさんのテクニックやノウハウが紹介されています。すべてを実践するというより、自分の仕事やタスク管理のスタイルに合ったものを選び取って取り入れていくと良いと思います。

気になったところ

後半の内容が付け焼刃に感じる

上記で紹介した本書の前半部分は著者の考えや経験を基にした「生きた」知見が詰まっていて、参考になりました。それなのに、後半部分はなぜか他の三文自己啓発本でも見られるような薄い内容になってしまっています。著者のノウハウのエッセンスは前半部分で出しきってしまっていて、書籍という形にするため後半部分を無理矢理付け足したような印象を受けました。前半部分の内容がためになった分、残念でした。

総評

ためになった知見もあるのでこの本には感謝しています。ただ冒頭でも述べた通り、後半部分には役に立つと思えるような内容がありませんでした。よって、私はこの本を読んでよかったと思いましたが、人によっては書店で序盤だけ立ち読みすれば十分かもしれません。