『こうして社員は、やる気を失っていく』の感想

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こうして社員は、やる気を失っていく

3行要約

  • モチベーションは「下げる要因」を取り除くことで自然と上がる
  • モチベーションを下げる要因は、「人の気持ち」を理解していないからこそ生まれる対応や制度
  • 人の気持ちに向き合いマネジメントすることが、チームを強くする

内容について

「あるある」から学ぶモチベーションを下げる行動とその改善策

本書では、上司と組織がやりがちな社員のモチベーションを下げる行動を紹介しつつ、その行動の問題点と改善策を紹介しています。管理職や経営者が自身の行動を振り返りながら読むとよいと思います。一方で、メンバークラスの社員に向けたアドバイスが少なかったのは残念です。

人の気持ちをマネジメントするべき

本書の主張として一貫しているのは「人の気持ちをマネジメントするべき」という点です。上記の「あるある」も、元を辿れば人の気持ちをないがしろにすることによって起こるものです。人の気持ちをマネジメントし、「見えない報酬」を大切にすることで、社員だけでなく組織も強くなります。これまでの「事(タスク)」のマネジメントに主眼を置いたマネジメント本とは違い、「人(マインド)」に注目しているのが新しい点ですね。

著者独自の意見がもっと知りたい

本書の構成は面白いと思いますが、全体的に心理学の解説に終始していて、著者独自の見解や意見というものが薄いように感じました。心理学の法則や概念は既に実験によって正しいらしいことが証明されているはずです。読者が知りたいのはそれらの追加の証明ではなく、著者自身の知見や経験から導き出した独自の意見です。もっと著者のカラーを出してほしかったと思います。

感想

結局管理職や経営者に自覚がなければ変わらないというのが残念です。そんな良識的な上司ばかりだったら苦労しないよーと思います。次はメンバークラスの社員が取り組めるチームマネジメントについて知りたいですね。