『見えにくい、読みにくい「困った!」を解決するデザイン』の感想
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3行要約
- 媒体を問わずデザインのアクセシビリティを広く網羅
- アクセシビリティやユニバーサルデザインの基礎知識を解説
- アンチパターンとその改善例をデザイン付きで例示
媒体を問わずデザインのアクセシビリティを広く網羅
この書籍はデザイン全般に関するアクセシビリティ本です。Webだけでなく、印刷物や掲示物、コミュニケーションなど、デザインの対象となりうる多くのもののアクセシビリティを取り上げています。
紙のデザイナーであれWebデザイナーであれ、デザイナーと名乗っているなら何かしら自身の仕事に近いトピックが出てくると思います。アクセシビリティを意識したいデザイナーの方は読んで損はないです。
アクセシビリティやユニバーサルデザインの基礎知識を解説
基本的な知識は各チャプターの冒頭で解説されているので、アクセシビリティについて知るのが初めてという人でも問題ないです。というより、むしろそういった方が想定読者かなとも思います。
ただ、各トピックの基本知識や典型的なアンチパターンは解説されていますが、専門的な解説まではされていません。より詳細な知識は専門的な書籍や文章を当たる必要があります。アクセシビリティについて網羅的にざっくりと知るにはよい書籍です。
アンチパターンとその改善例をデザイン付きで例示
ビフォー・アフター形式で、アクセシビリティのアンチパターンとその改善例のデザインが紹介されています。視覚的に学習できるので文章で読むよりわかりやすくてよいです。
様々な特性や障害を持つキャラクターたちがアンチパターンのデザインにコメントするという形式もよかったです。自分には問題なくても、ある人には問題があったり使えなかったりするということがあります。そういったシチュエーションになりうるということを知るだけでも、アクセシビリティの改善につながると思います。
感想
アクセシビリティの入門によさそうな本でした。良書です。
残念ながらアクセシビリティ意識の高いデザイナーさんはあまり見かけません。「デザインはいい感じなのにアクセシビリティダメダメじゃん…」と思ってしまうこともしばしば。デザイナーさんにはぜひこの本を読んでもらって、アクセシビリティ意識を高めてほしいですね。